富士山スコリア 焼チョコレート
一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆を含む
凛とそびえるたたずまいはとても優美な富士山。世界中の人から日本の象徴とされており、地質学的にも多くの研究がされている標高3776.12メートルの成層火山です。古くから信仰や文化、芸術のモチーフでもあり、日本人の心象風景そのものではないかと思います。伊豆生まれの私はふと見上げた先に富士山があるのが日常で、その度にありがたいなと過ごしてきました。
富士登山をした方なら皆さん記憶にあると思うのですが、足元の石がガサガサしていてとても歩きづらかったのではないでしょうか。その足元の石こそ、富士山からの噴出物「スコリア」なのです。スコリアというのはマグマの飛沫のようなもので、ガスを含んだマグマが何かのきっかけで噴火。火口からどーんと飛び出してきます。
火口から飛び出した粘り気の少ない玄武岩質の溶岩は、約10万年前の古富士山火山から新富士火山まで、様々な噴火の経緯をたどり、山腹からの噴火や山体崩壊などを経て今の形になっていることがわかっています。ということは、長い富士山の歴史を思えば、今の美しい形というのはある一瞬の様子でもあるのです。
よく「軽石」というのもありますがあちらは白っぽいですね。でも成り立ちは同じです。日本では多孔質で白っぽいものを軽石、暗色のものをスコリアと呼び、マグマの化学成分の違いで色も変わってきます。
「富士山に一度も登らぬバカ、二度登るバカ」
静岡人ならなおさら、登っておきたいところです。(ジオガシ旅行団はなんとまだ未登山!)
ここからお菓子の甘い解説
お気づきでしょうか、
こちらは2色の味が楽しめます。
赤いスコリアは酸化した鉄によるものですが、もう一方の勢いよく火口から飛び出した元気なスコリアは飛距離を稼ぎ、鉄が酸化する間も無く冷えました。なので、黒いです。
こちらの焼きチョコに鉄は入っておりません、ご安心ください。
黒いスコリアは黒ごま味、赤いスコリアは紫芋味のチョコレートで豊かな風味が特徴です。
スコリアは見た目、触感ともに実物スコリアとそっくりさんですので、作っている本人も地面に落ちているのを見ると見分けがつきません。くれぐれも富士山腹で落とさぬようお気をつけください。以前、富士山五合目でスコリアを踏みしめながら、スコリア焼きチョコレートを皆で食べた際、足元の感触と食感と味があいまってパニックになりました。これは今までにない体験です。しかし、美味しいことに間違いはありません。
ちなみに、こちらの縄状溶岩
こちらも同じ、富士山から噴出したものです。
ガスの抜けたマグマがドロ〜〜〜〜〜んと山肌を伝い流れ流れ、三島の町まで到達している様子を今も見ることができます。足元の縄状溶岩から富士山を見ると、流れてきた方向もわかり、ちょっと感動します。
富士山から流れてきた縄状溶岩は三島駅徒歩5分で見られますのでぜひそこから富士山を眺めてみてください。